ティベリウス帝の視点

カプリ島を有名にしているのは青の洞窟だが、ブランド島にしている理由はティベリウス帝だと思う。坂道を約1時間かけて頂上に登り、下界を見渡すと、小さな島が一望できます。そして遠く遥かにはナポリやポンペイのあるヴェスヴィオ火山。2000年以上前に彼が統治していたローマ帝国は今のヨーロッパ全域よりも巨大な帝国だ。しかしここカプリ島で見えるのはイタリアのほんの一部だけ。どうしてそんな巨大な帝国を人間の手で統治できるんだ。そう疑問に思ったのかもしれない。数字上はできる、でも実感としてはできない。ヒューマンスケールって、自分が実感できる大きさでしかないんですよね。カプリ島なら、すべてを見渡せる。彼はそう考え、カプリ島の王になろうとしたのではないか。そしてローマ帝国は、あくまで数字的に対応、統治することにした。それは若き頃、ロードス島で、学者になろうとした際、星占いで、「あなたは将来皇帝になる身なのでローマに戻りなさい」と予言され、それが現実のものになった彼にとって、ローマ帝国を統治できるのは、天空の星でしか無理だと感じたのではないだろうか。テレビ視聴率30%と言われるよりも、5000人のイベントで熱狂する観客を見る方が、はるかにリアリティがある。ローマ帝国全体よりも、カプリ島の王として、星占いによる判断と、自分自身による判断の2つの判断で、ティベリウスは統治をしていた。そんな気にさせてくれたカプリ島でした。

右のハーバーがカプリハーバー

古代の遺跡

さまざまな部屋が

残っていました

寝室だったり

大広間だったり

召し使いの部屋だったり

祈りの部屋だったり

食堂だったり

ティベリウスの像

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